プライバシー・パラドックス データ監視社会と「わたし」の再発明
プライバシー保護の重要性を認めつつも、巨大テックプラットフォームにデータを供給し続ける私たちが迎え入れようとしている未来は、利便性のユートピアか、それとも全人監視のディストピアか?プライバシーはもはや誇大妄想にすぎないのか?わたしたちは、すでにテック巨人たちの「農奴」にすぎないのか?
デジタル時代、特に「ビッグデータの時代」におけるプライバシーをめぐる混乱の理由は明らかである。プライバシーの概念が物理的な空間とオンラインとでは異なる解釈となるからだ。プライバシーに対する伝統的な理解は、家のような物理的な空間と深い関連があった。誰かが家の窓からあなたの生活を覗いたなら、人びとはそれをプライバシーの侵害だと考えた。サイバースペースはこの理解ともまったく異なる。インターネットによって、私たちは自分たちのために残しておきたい活動の場、つまりプライバシーを定義する空間の概念と「自己決定権」を失ったのである。デジタル国家へと急旋回する日本社会に向けた警告の書。
Reference
『プライバシー・パラドックス-データ監視社会と「わたし」の再発明』の読書会 [2021. 2. 10]
https://note.com/momoko_1228/n/n7d1f4276a1f8
- ISBN
- 978-4991126031
- 発行
- 黒鳥社
- 編集
- 若林 恵
- デザイン
- 藤田 裕美
- 定価
- 2,970 円
- 判型
- B5変型判
- LINK
- https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784991126031