2021. 12. 1
武邑塾2021 #exodus 3 | Three Sphere Problem三体圏(東洋・西洋・デジタル)問題から視るデジタル・パラダイム
私たちはすでに新しいパラダイムに生きています。古いルールはもう適用されません。グローバリズムは、3つの圏に置き換えられました。東洋、西洋、デジタル圏。この3つの圏は、特定の国や地域に限定されることはありません。日本は西洋圏に属し、独自の文明だとする見解もあります。しかし、それぞれの圏は、本来、異なる「文明化」技術にもとづいてきました。
東洋(East) 表意/象形文字 ideo/pictographs
西洋(West) アルファベット the alphabet
デジタル(Digital) バイナリコード binary code (2進数符号)
これらの3体圏は、最も基本的なレベルで、お互いと対話することができないのです。この3体問題をめぐる葛藤と緊張は、中国のSF作家である劉慈欣(りゅう じきん、Cixin Liu)が比喩的に描写した世界であり、均衡と対話の道筋は非常に限定されています。
同時に、政治・経済は大きく変化しており、「普通」に戻ることはないでしょう。ロボットが急速に人間の労働者を代替し、AIも急速に進化しています。
信頼が大きく損なわれた制度は機能不全となっています。20世紀後半からのテレビの支配力とは大きく異なるデジタル・パラダイムを理解する必要があります。デジタル・パラダイムの状況下では制度は変形し、改革され、変化していきます。かつて『オズの魔法使い』でドロシーが言ったように、”I don’t believe we’re anymore in Kansas.” ―「ここはもうカンザスではない」のです。
#exodusシリーズ最終回は、デジタルライフ研究センター(Center for the Study of Digital Life)所長で、インターネットの黎明期からデジタル社会の行方を予見し、マーシャル・マクルーハンやノーバート・ウィナーの本来の影響力を指摘しつづけてきたマーク・スタールマンを特別ゲストに招き、私たちが直面している3体圏(西洋・東洋・デジタル)問題を捉え、今後のデジタル社会の行方を包括的に考えます。
デジタルノマド、クリエイター経済を貫く分散ドロップアウトの大規模な現象から、デジタル・エクソダスは何からの脱出なのか?デジタル社会はトランスヒューマニズムによって制覇されてしまうのか?既存の国家や政府は、デジタル時代に耐えうるようなヒューマンスケールによる再構築は可能なのか?3体問題として世界を視る新たな観点と、私たちが選択する未来のガバナンスを見据え、デジタル社会が抱える本質的な課題に迫ります。